日本ツバキ協会と国際ツバキ協会(&各地の椿展リスト)

【椿information】2023-3-10

日本だけでなく、世界には、椿の愛好家がたくさんいて、それぞれの地域で同好会を作り活動しています。さらに広く同好家同士が繋がりを持ち交流をするために組織ができています。この「同好家同士が交流する組織」として、日本国内には「日本ツバキ協会(J C S:Japan Camellia Society)」が、日本を含めた世界には「国際ツバキ協会(I C S:International Camellia Society)」という団体があります。

日本ツバキ協会(J C S) https://japancamellia.org/

一般社団法人日本ツバキ協会は、ツバキに関する調査研究、栽培や新種育成の指導・奨励を行い、その成果を国内外に提供してツバキの普及を図り、日本におけるツバキ文化を継承発展させ、その文化を国内外に広く発信することを目的に設立された非営利法人です。

具体的には、椿展や見学会などの開催、新しい品種登録、各地の椿の古木の優良古木認定、会誌の発行、取材への協力、椿に関する広報活動などを行っています。毎年、各地の自治体と共催で行う全国椿サミットはコロナ過下で2019年の御殿場大会を最後に中止が続きましたが、今年は萩で4年ぶりの開催となります。

会員は日本国内に約1300人おり、本部か39支部のいずれかに所属しています。それぞれの支部は、地域に密着した椿同好会として独立した団体である場合(例えば「伊予つばき支部」が地域の「伊予つばき協会」であるように)もあります。

支部や愛好会の中には、自分たちの楽しみや地域の椿文化の活性のために椿展や見学会、セミナーなどを行って活発に活動しているところもあり、特に椿の最盛期である3月は各地で椿展やウオークラリーなどが行われています。後述したので、機会があれば行ってみてください。

国際ツバキ協会(I C S) https://internationalcamellia.org/en-us/

一方、多数の国にまたがる組織であるI C Sは、法律に規定された組織の表記はなく、自らを単に「国際的な非営利団体(charity)」と紹介しています。

会員は世界の28カ国に約1500人。品種登録簿の作成、会誌の発行、優秀ツバキ園の認定、基金を持ちツバキの研究と保全活動に資金を提供しています。そしてアジア、ヨーロッパ、オセアニア、米国のどこかの地域で隔年に会議を開催します。今年は2018年から5年ぶりにイタリアで開かれます。

<各地の椿展・椿まつり(現在開催中・今後開催のもの)

  • 大分県杵築市: 2/18(土)〜3/31(金)/るるぱーく(大分農業文化会館)
  • 福岡県久留米市: 3/4(土)〜3/21(火)/石橋文化センター
  • 福岡県久留米市: 3/4(土)〜3/12(日)/久留米世界のつばき館/第14回久留米つばきフェア
  • 鳥取県松江市: 3/11(土)〜3/12(日)/松江城城山公園/第54回松江城城山公園椿展
  • 山口県山口市: 3/24(金)〜3/26(日)/サンパークあじす/2023山口つばき展
  • 広島県広島市: 3/31(金)〜4/2(日)/妙詠寺/広島支部第11回ツバキ展
  • 愛媛県松山市: 3/6(月)〜3/12(日)/松山城二之丸多聞櫓、史跡庭園/第26回松山城二之丸つばき名花展
  • 愛媛県松山市: 3/16(日)/道後温泉つばき巡りウォーク
  • 京都府京都市: 3/24(金)〜3/26(日)/京都府立植物園/第62回椿展
  • 奈良県奈良市: 3/25(土)〜3/26(日)/奈良県護国神社/奈良県護国神社椿祭り
  • 奈良県奈良市: 3/27(月)〜3/31(金)/奈良薬師寺/奈良薬師寺椿展
  • 愛知県瀬戸市: 3/18(土)〜3/19(日)/凧山つばきの森/瀬戸椿の会つばき展
  • 石川県野々市市: 3/18(土)〜3/19(日)/野々市市文化会館フォルテ・ののいち椿館/花と緑 ののいち 椿まつり2023
  • 富山県南砺市: 3/18(土)〜3/20(月)/いのくち椿館/第33回南砺いのくち椿まつり
  • 富山県高岡市: 3/11(土)〜3/12(日)/おとぎの森/第35回高岡つばき展
  • 静岡県静岡市: 3/11(土)〜3/12(日)/アイセル21/第29回世界の椿展
  • 静岡県御殿場市: 3/25(土)〜3/26(日)/秩父宮記念公園/第11回椿まつり
  • 神奈川県平塚市: 3/30(木)〜4/2(日)/神奈川県立花菜ガーデン/江戸椿研究会展
  • 東京都大島町: 1/29(日)〜3/26(日)/都立大島公園/伊豆大島椿まつり
  • 東京都府中市: 3/14(火)〜3/19(日)/都立神代植物公園/神代椿展
  • 神奈川県横浜市: 3/18(土)〜3/19(日)/こどもの国 椿の森/横浜こどもの国ツバキまつり
  • 埼玉県川口市: 3/4(土)〜3/21(火)/川口グリーンセンター/第46回椿展
  • 茨城県土浦市:3/12(日)/亀城プラザ/土浦椿展
  • 群馬県前橋市: 3/24(金)〜3/26(日)/前橋敷島公園門倉テクノばら園
  • 岩手県大船渡市: 2/5(日)〜3/21(火)/世界の椿館・碁石/三陸・大船渡第26回つばきまつり

参考:

・「椿」61号,日本ツバキ協会,2023

・日本ツバキ協会公式サイト:https://japancamellia.org/

・国際ツバキ協会公式サイト:https://internationalcamellia.org/ja/

伊豆大島の椿まつり2023

【椿information】2023-2-22

今年で第68回を数える伊豆大島椿まつり。

例年、椿の開花時期に合わせて1月末から3月末まで、約2カ月間も開催されます。今年の会期は1月29日(日)から3月26日(日)です。

伊豆大島椿まつり期間中は、島内の各所に自生するヤブツバキ約300万本が開花し、島内にある3つの椿園で様々な園芸品種のツバキの花が楽しめます。来島者の多くは東海汽船が用意する手頃・手軽なパッケージツアーで来島します。観光協会では島内各施設や島民の協力を得ながらイベントを行い盛り上げています。

椿プラザ特設会場:

来島者歓迎イベントは、メイン会場の都立大島公園椿プラザ特設会場で毎日おこなわれます。ステージでは大島のアンコ装束に身を包んだアンコさんによる大島民謡や「アンコの手踊り」などの郷土芸能が披露され、出展ブースでは椿油や明日葉茶などのお土産が購入できます。

椿園:

郷土芸能を見た後はそのまま都立大島公園の椿園を散策して椿の花を楽しめます。国内最大級の広さをもつ園内には、原種と園芸種が約1,000品種、3,200本、自生するヤブツバキが約5,000本あります。椿園は他にも都立大島高校で農林課の生徒たちが管理運営する椿園と、民間の椿花ガーデンがあります。

3つの椿園はいずれも国際ツバキ協会が国際優秀ツバキ園に認定しています。

伊豆大島の国際ツバキ協会が国際優秀ツバキ園・3園

その他に:

祭りを盛り上げるイベントとして初日には伊豆大島の郷土芸能である和太鼓「御神火太鼓」が披露されました。そのほか長い椿まつり期間中には、いくつかの催しも行われます。

・2月3日(金)~3月18日(土)の金・土19:30〜21:00に夜祭(元町港船客待合所内)

・2月25日(土)椿の女王コンテスト(大島公園椿プラザ)

・3月21日(火)~26日(日)椿花ガーデンライトアップ

今年の椿の花に見頃は、2月下旬から3月中旬だそうです。

参考:

第68回伊豆大島椿まつり公式サイト:大島観光協会

http://www.izu-oshima.or.jp/68th_camellia_festival/index.html

PRTimes:第 68 回伊豆大島椿まつり ~メイン会場 大島公園 で楽しもう!~[東海汽船株式会社]:

https://www.jiji.com/jc/article?k=000000224.000007930&g=prt

ホテル椿山荘 椿絵巻 〜東京椿インスタレーション・アート〜

【椿information】2023-2-8

東京都文京区のホテル椿山荘では、今年も 椿絵巻〜東京椿インスタレーション・アート〜が始まりました。

椿山荘は、明治の軍人・政治家であった山縣有朋が購入して作った庭と邸宅である「椿山荘」に由来します。山縣の故郷は現在の山口県萩市で、萩には、人の手によって生み出された椿の純林「笠山椿群生林」があります。その笠山椿群生林をモチーフにしたのが、椿絵巻〜東京椿インスタレーション・アート〜です。開催期間は、2/8(水)~2/28(火)の3週間、笠山を想像しながら歩いてみてはいかがでしょう。

2021/2/27撮影
2021/2/27撮影

ホテル椿山荘まで行けない方は、YouTubeに動画がありますので、こちらをどうぞ。

椿山荘の庭では、1~3月にかけて、約100種2300本の椿が咲きます。もう、少しずつ咲き始めていますので、併せて見学するのがお勧めです。 また萩市では今年、3/18(土)・19(日)に全国椿サミットが開催され、笠山への見学も予定されています。

参考:

・ホテル椿山荘 東京椿:https://hotel-chinzanso-tokyo.jp/tsubaki/

・つらつら椿【椿の名所】ホテル椿山荘と関口台地の椿山:https://tsubaki-fan.com/camellia-trip/hotel-chinzanso-tokyo-tsubaki-yama/

椿の記念日

【椿information】2023-1-25

1月28日は「いい、つばきの日」、愛媛県松山市が制定した椿の記念日です。

「つばき」に愛着を持ち、笑顔が広がることを願って、2018年(平成30年)に制定されました。

伊予は椿どころです。古くから自生しているヤブツバキは松山市の市の花にもなっています。(1972年4月1日制定)毎年1月28日の「いい、つばきの日」から椿が見頃を迎える3月末までの間「つばきフェスティバル」と題して市民参加の様々なイベントが開催されます。その一つに俳人・夏井いつきさんによる句会ライブは、コロナ禍によって2021年からはリモート句会ライブとして行われています。松山は俳人・正岡子規の故郷ですからぴったりなイベントですね。

また松山市の「椿神社」(伊豫豆比古命神社:いよずひこのみことじんじゃ)では、例年、旧暦正月8日を例祭日としてその前後3日間「椿まつり」が行われます。2023年は1月28日(土)~30日(月)の3日間の開催です。

もうひとつ椿の記念日があります。

2月8日の「つばきの日」で、長崎県五島市が制定しました。日本人の生活と文化に密接なつながりを持つ「椿」に焦点を当て、大事に守り育てていく、という思いが込められているそうです。

五島は「東の大島、西の五島」と並び称され、国内有数の椿の自生地として知られる場所です。ヤブツバキが多数自生しており、椿油の生産量も多く、名産の五島うどんにはその椿油が使われています。国際ツバキ協会認定の国際優秀椿園もあります。

2/18(土)~26(日)は第29回五島椿まつりが開催されます。

1月28日の「いい、つばきの日」と、2月8日の「つばきの日」。

それぞれの地元では記念日に合わせて椿の普及活動が盛んです。いずれも「椿のご当地」を自負していることがうかがえます。

こうした記念日をきっかけに多くの人々が椿に目を向けてくれることを幸いと思い、ともに喜び、応援したいものです。

参考:

1月を彩る酒井抱一筆「十二か月花鳥図」の椿

【椿information】2023-1-11

四季の変化が細やかな日本では、春夏秋冬の四季のみならず、24に分けた「二十四節気」、72に分けた「七十二候」などによって自然の移ろいを、鳥、花、気象などの様子で表してきました。

そうした自然の移り変わりを12カ月それぞれの月にふさわしい花や鳥によって彩り、12図をセットにしたのが、酒井抱一(さかいほういつ)筆「十二か月花鳥図」十二幅です。

椿は1月の図に登場します。

1月の題材は、椿、梅、鶯。旧暦の1月は新暦の1月下旬から3月上旬頃にあたるので今よりずっと春めいていますから、1月に、椿、梅、鶯が選ばれたのもしっくりきます。

十二か月花鳥図 1月 酒井抱一/図録「畠山記念館の名品」より

今でも時折、椿は首が落ちて不吉だと思っている方がいますが、もしそうであれば1月の題材になど選ばれなかったはずです。また武士の嗜みであった茶道でも椿は炉の季節の重要な花です。むしろ古来より常世、吉祥の象徴であり、年の初めに相応しい花ではないでしょうか。

作者の酒井抱一は江戸時代後期の江戸琳派を代表する絵師で、「風神雷神図屏風」は誰もが知るところでしょう。花鳥図や草花図を得意とし、晩年の作である「花鳥十二ヶ月図」は人気作であったので、いくつものセットが現存しています。どの月も構図が整い、色合いが美しく、豊かな季節の情緒が感じられます。

図の引用は図録「畠山記念館の名品」から。

畠山記念館は荏原製作所創業者、畠山一清が蒐集した美術品、約1300件を展示する美術館です。収蔵品は、茶道具を中心に書画、陶磁、漆芸、能装束など、日本、中国、朝鮮の古美術品があり、国宝6件、重要文化財33件を含みます。現在は施設改築工事の為長期休館中。

参考:

・特別展 畠山記念館の名品 ―能楽から茶の湯、そして琳派―,日本経済新聞社・NHK京都放送局・NHKエンタープライズ近畿,2021

東京農工大学のサザンカ

【椿information】2022-11-24

11月19日(土)に東京農工大学へサザンカを見に行きました。校内に植えられたサザンカは約200品種、樹齢数十年のものもあります。これらは箱田直紀会長がかつて研究に育てていたもので、今は農工大のシンボル的花木としてキャンパスを彩っています。多くのサザンカは花盛りを迎えていました。

サザンカは木の表側に咲き、花数も多いので華やかです。一方ツバキは葉の下に隠れるように咲くことが多いので、静かな佇まいがあります。同じカメリア属のツバキとサザンカですが、雰囲気はそれぞれですね。

<サザンカの品種を覚えてみましょう>

昭和の栄(しょうわのさかえ)

全国で見られるシシガシラ系のサザンカです。花径は7、8cmですが、紅桃色の花弁には白雲状の白斑が入り、華やかです。時に横杢模様の斑入り花もあり、複雑な色あいで見ごたえがあります。

富士の峰(ふじのみね)

「富士の峰」はとてもポピュラーな品種です。九州に枯木が多く、明治初期に関西から広まったと言われ、「峰の雪」の名で販売されていたこともありました。花弁が30~50枚もある千重咲き、咲き切るとおしべが少し見えてきます。11月中頃から咲き始めます。シシガシラ系。

初音(はつね)

花弁を縁取る紫がかった紅色のぼかしがなんとも美しいこと。10月頃から咲く早咲きの品種で、花径は7、8cmの一重咲きですがなかなか存在感のある一輪です。栄久絞と間違われて販売されていたこともあるそうで、箱田先生の命名です。サザンカ系。

夕陽(せきよう)

肥後サザンカのひとつで、12~15枚の鮮やかな濃紅色の花弁をしていて、時に白い筋が入ります。シシガシラ系。肥後サザンカとは肥後藩の園芸家たちによって生み出された独特の美意識に基づく園芸品種群です。一重平開咲き、梅芯といった特徴があり、庭木や盆栽として仕立てられ、海外でも人気があります。

<東京農工大学のサザンカについてもっと知りたい方へ参考資料>

「東京農工大学のサザンカ」http://www.sato-tsubaki.co.jp/source/C.sasanqua.pdf

<これからあるサザンカ展と観察会>

○国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑「冬の華・サザンカ」

https://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/plant/project/next.html

・2022年11月29日(火)~ 2023年1月29日(日)

・日本固有種であるサザンカを鉢植えにて、約140品種、約300鉢を展示

・12月17日(土)13:30~ 箱田直紀氏(日本ツバキ協会会長・恵泉女学園大学名誉教授)による観察会

アンペルギャラリー 椿絵コレクション展のご案内

【椿information】2022-12-1

今年もまた、日本橋のUNPEL GALLERY(アンペルギャラリー)で、あいおいニッセイ同和損保 椿絵コレクション展が開催されます。

ギャラリーの運営母体であるあいおいニッセイ同和損保は、桃山時代から近現代に至るまでの椿をテーマとした絵画・工芸品の一大コレクションを有し、その作品数は約300 点に及びます。著名な作家、有名な作品が数多くあり、中には見たことのある作品もあるでしょう。

ギャラリーなので一室しかない展示ですが、質の良い椿作品が見られます。入場は無料。

ぜひ足を延ばしてみてください。

会期:

パート1 2022年12月3日(土)~25(日)

パート2 2023年1月10日(火)~29(日)

あいおいニッセイ同和損保 アンペルギャラリー

サザンカの季節

【椿information】2022-11-10

花の少ない晩秋から初秋にかけて、サザンカは花盛りを迎えます。サザンカはツバキと同じCamellia属、よく「ツバキとサザンカはどこが違うの?」という疑問を耳にします。

ツバキとサザンカを見分けるポイントを簡単に言うと、

①ツバキは花弁が散らず、花が丸ごと落ちる。サザンカは花弁がパラパラに散る。

②ツバキは雄しべの基部がくっついている。サザンカは分離している。

③サザンカは子房や細い枝や実に毛が生えているツバキは生えていない。

④サザンカは芳香がある。ツバキはない。

(画像参照)

困るのはツバキとサザンカの種間雑種でできた園芸品種で、当然どちらにも似ています。

園芸学では、サザンカ、ツバキ、その中間のカンツバキやハルサザンカと分類しています。

10月から5月にかけてツバキとサザンカが次々と咲きます。せっかくの花の時期です。ツバキかサザンカか論争に花を咲かせるより花を見て楽しみましょう。それに実物を見ているうちに「これはサザンカっぽいな」これはツバキの要素が多いな」などと分かるようになります。

サザンカの咲く場所には甘く爽やかな芳香が漂います。秋空の下で咲くサザンカの花と香りを楽しむ秋の休日はいかがですか?

お出かけの参考にサザンカの見られる場所と観察会をご案内します。

<サザンカがよくみられる公園>

佐賀県には国指定天然記念物の千石山サザンカ自生北限地帯があり、山の斜面いっぱいに白い花が咲く様子は見事です。(【椿の名所】千石山サザンカ北限自生地帯

<観察会>

○東京農工大学のサザンカ観察会(日本ツバキ協会主催)

・2022年11月19日(土)13:00 東京農工大学農学部 正門前集合
・大学内に植栽されたサザンカを箱田直紀氏(日本ツバキ協会会長・恵泉女学園大学名誉教授)の解説を聞きながら見て歩きます。

○国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑「冬の華・サザンカ」

・2022年11月29日(火)~ 2023年1月29日(日)
・日本固有種であるサザンカを鉢植えにて、約140品種、約300鉢を展示
・12月17日(土)13:30~ 箱田直紀氏(日本ツバキ協会会長・恵泉女学園大学名誉教授)による観察会

参考文献:

・ツバキとサザンカの見分け方,木全典子,2021

椿の専門図書館の開設・運営(大島椿)

概要

椿油専門メーカー大島椿グループの創業95周年記念事業として、椿に関する資料を重点的に集めた専門図書館の開設を企画。一般の利用者も実際に資料を手に取って閲覧できる開架式図書館として開館しました。継続して図書館の運営を行っています。

意義

椿文化に寄与する施設の設立・運営を通じて、大島椿グループの「椿守カンパニー」という企業ブランドを中長期的に支援します。

具体的な業務

  • 椿に関する専門図書館事業の企画、図書館規定・配架ルール等の作成、運営マニュアル、利用の手引き等資料作成
  • 収蔵資料の収集、全資料のデータベース化、NDC(日本十進分類法)による分類、資料の清掃・カバーリング
  • 開館準備(図書館利用カードの作成、各種資料作成など)
  • 開館式(2022年10月7日金曜日)の企画、コーディネート、当日の司会
  • 図書館利用対応、司書業務など

【大島椿椿図書館はどんな図書館?】

大島椿椿図書館は、大島椿株式会社社内にある民間の図書館です。椿に特化して資料を収集しています。特徴は以下の通りです。

1.園芸、植物、歴史、芸術など様々な分野において、国内外の椿について書かれた、あるいは椿をテーマに表現された書籍・雑誌・DVDなどを網羅的に収蔵している。

2.一般に利用が解放されている開架式図書館で、来館者が実際に手に取って活用できる。

3.多様な収集物に対応するため、資料は日本の図書館の分類である「日本十進分法(NDC)」を基本とした独自の方法で分類し書架に並べられている。

開館時の収蔵資料は約800文献(約1200点)、うち約670文献が閲覧可能です。これらの資料は大島椿株式会社が購入した以外にも、椿図書館に賛同した方々から数多くの貴重な資料が寄贈されました。

【イベント】

開館式 2022年10月7日

大島椿椿図書館
大島椿椿図書館20221007_1
大島椿椿図書館20221007開館

富山県中央植物園の桐野秋豊展

【椿information】2022-10-12

現在、富山県中央植物園では「桐野秋豊ツバキ資料展 八尾が生んだツバキ研究家」展が行われています。10月2日(日)に特別展に合わせて行われたフォーラムに参加しました。

桐野秋豊氏は著名なツバキ研究家で、半世紀にわたってツバキ研究一筋に打ち込んできた方です。一般社団法人日本ツバキ協会会長、いのくち椿館(富山県南砺市)名誉会長、などを歴任されました。

桐野先生は富山県八尾町の出身で、教員時代にユキツバキがきっかけでツバキ研究に没頭します。安達流創業者の故安達潮花氏に請われて教師を辞めて東京・安達流椿研究所主任研究員に、その後、横浜の(社)こどもの国・椿の森担当主任として勤務。多くの書籍や研究成果を著し、その元となった資料とツバキの木を残して2015年に亡くなりました。

富山県中央植物園は、これら研究記録である 31冊の「桐野ノート」を始め、2万点を超える写真など、半世紀にわたる研究活動の膨大な資料をデジタル化、さらに園内に自宅のツバキ243種類391本を桐野ツバキコレクションとして移植した事を機に、今回の特別展が開催されたのです。

特別展1は9月9日から10月19日まで開催、資料を中心に展示とフォーラムでした。

フォーラムでは、富山県中央植物園主任の志内利明氏がツバキの植栽と資料のデジタル化プロジェクトをいかに成功させたかをユーモアを交えて話し、一般社団法人日本ツバキ協会箱田直紀会長は研究者としての桐野先生の活躍や日本ツバキ協会における実績を紹介しました。威光を讃えると共に、桐野先生のお人柄を伝えるお話でした。

座談会では桐野先生のご家族を交えて、生前を知る方々によるエピソードが紹介され、会場はかつての教え子なども集まり、懐かしくも和やかなひと時となりました。

2023年3月17日(金)~29日(水)には「桐野ツバキコレクション展2」が開催、植栽されたツバキが花を咲かせる姿が見られるでしょう。

※写真は許可を得て撮影しています

※詳細は公式Instagram

https://instagram.com/botanicgardenstoyama_official?igshid=YmMyMTA2M2Y

公式サイト

https://www.bgtym.org/news/6589/

参考文献:

いのくち椿館 原種ツバキ図鑑,桐野秋豊,いのくち椿館,2013

北陸中日新聞, 中日新聞北陸本社,2022年9月10日