東京農工大学のサザンカ

【椿information】2022-11-24

11月19日(土)に東京農工大学へサザンカを見に行きました。校内に植えられたサザンカは約200品種、樹齢数十年のものもあります。これらは箱田直紀会長がかつて研究に育てていたもので、今は農工大のシンボル的花木としてキャンパスを彩っています。多くのサザンカは花盛りを迎えていました。

サザンカは木の表側に咲き、花数も多いので華やかです。一方ツバキは葉の下に隠れるように咲くことが多いので、静かな佇まいがあります。同じカメリア属のツバキとサザンカですが、雰囲気はそれぞれですね。

<サザンカの品種を覚えてみましょう>

昭和の栄(しょうわのさかえ)

全国で見られるシシガシラ系のサザンカです。花径は7、8cmですが、紅桃色の花弁には白雲状の白斑が入り、華やかです。時に横杢模様の斑入り花もあり、複雑な色あいで見ごたえがあります。

富士の峰(ふじのみね)

「富士の峰」はとてもポピュラーな品種です。九州に枯木が多く、明治初期に関西から広まったと言われ、「峰の雪」の名で販売されていたこともありました。花弁が30~50枚もある千重咲き、咲き切るとおしべが少し見えてきます。11月中頃から咲き始めます。シシガシラ系。

初音(はつね)

花弁を縁取る紫がかった紅色のぼかしがなんとも美しいこと。10月頃から咲く早咲きの品種で、花径は7、8cmの一重咲きですがなかなか存在感のある一輪です。栄久絞と間違われて販売されていたこともあるそうで、箱田先生の命名です。サザンカ系。

夕陽(せきよう)

肥後サザンカのひとつで、12~15枚の鮮やかな濃紅色の花弁をしていて、時に白い筋が入ります。シシガシラ系。肥後サザンカとは肥後藩の園芸家たちによって生み出された独特の美意識に基づく園芸品種群です。一重平開咲き、梅芯といった特徴があり、庭木や盆栽として仕立てられ、海外でも人気があります。

<東京農工大学のサザンカについてもっと知りたい方へ参考資料>

「東京農工大学のサザンカ」http://www.sato-tsubaki.co.jp/source/C.sasanqua.pdf

<これからあるサザンカ展と観察会>

○国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑「冬の華・サザンカ」

https://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/plant/project/next.html

・2022年11月29日(火)~ 2023年1月29日(日)

・日本固有種であるサザンカを鉢植えにて、約140品種、約300鉢を展示

・12月17日(土)13:30~ 箱田直紀氏(日本ツバキ協会会長・恵泉女学園大学名誉教授)による観察会