イタリアのツバキ(その3)

背の高く、大きく育つ海外の椿たち

日本の庭園で見かける椿の多くは、選定してそこそこの大きさに保たれます。一方で海外の椿はほとんど剪定されていません。基本的に選定せずに放置して、木が伸びたいように育てています。これは庭が広いからなのか、貴重な木なので切らないのか、そもそも剪定の概念がないのかもしれません。生垣や壁を覆う装飾にされる場合も、とにかく大きく仕立てられます。

ヴィラ・ターラントの植物園(Botanic Gardens of Villa Taranto)で見た椿は、丸く刈り込まれていましたが、日本では見られないくらい背が高いものでした。木や人と比べてみると分かると思います。

ヴィラ・カルロッタ(Villa Carlotta )の中庭は通路に沿って背の高い生垣があり、ツバキも多く使われています。邸宅裏手の生垣も邸宅と同じくらいの高さにまで茂っていました。

 

広い庭で大きく枝を広げ、のびのび育つ海外のツバキ。ヨーロッパに渡った椿は広大な庭を彩る植物として重宝されたことでしょう。ツバキ自身も日本とは違う国の庭で、その土地の人間たちの要望に応えて大きく育っているようです。