【椿information】2023-4-12
毎年、各地の自治体と日本ツバキ協会が共催で行う全国椿サミット。コロナ過により2019年の御殿場大会を最後に中止が続いていたので今年の萩大会は4年ぶりの開催。萩市での開催は11年ぶり4回目です。感染対策のため人数制限をしての実施でしたが、参加者たちは久々の交友と椿の名所への訪問に笑顔が溢れていました。
第33回全国椿サミット萩大会概要
テーマ:「ヤブ椿の自然林笠山椿群生林の再生を目指して」
日時:2023年3月18日(土)、19日(日)
場所:山口県萩市(萩市民館)
オープニング:越ヶ浜郷土芸能保存会「巫女(みっこ)の舞」、XUXU(シュシュ)ライブ
基調講演:「ヤブ椿の自然林笠山椿群生林の再生を目指して」萩市観光課樹木医草野隆司
展示(小ホール、ロビー):
萩焼と生け花展(萩陶芸家協会から特別提供の萩焼と市内華道団体によるコラボレーション)
椿油搾油の実演(サン製機)、椿グッズの販売
新花人気投票コンテスト(日本ツバキ協会)
参加者には様々なお土産が渡されます。開催地からは椿の苗木やご当地の名産品など、協賛企業数社も椿油などを提供しています。
大会後の交流会は千春楽というホテルのバンケットで賑々しく行われました。地元の料理を食べながら、旧知の椿友や初対面の椿友と話が弾みます。最後は次回開催地の松江市に引き継がれる大団円で宴は終わりました。
萩の椿名所 笠山椿群生林と東光寺の古木「宮様椿」
19日の視察は、笠山椿群生林(萩・椿まつり会場)、道の駅・萩しーまーと、東光寺、松陰神社の4か所です。
笠山椿群生林:山口県萩市椿東越ケ浜虎ケ崎
萩市の北東部、笠山の北端にあたる虎ヶ崎には約10haに約25,000本のヤブツバキが群生しており、萩市指定天然記念物に指定(2002年/H14)されています。開花期間は12月上旬~3月下旬と長く、例年2月中旬~3月下旬頃に見ごろを迎えます。木の多くは株立ちで、背が高く細い幹が林立する林と、樹上から落ちてきた椿の赤い「落ち椿」が地面を赤く染める様子は他に類のない景観です。
群生林内は遊歩道が整備され散策がしやすく、展望台は地上13mあって椿群生林を上から見渡すことができ、天気が良ければ日本海が一望できます。
東光寺の「宮様つばき」:山口県萩市椿東1647
萩市椿東にある東光寺は元禄4年(1691)藩主毛利吉就が開基となって創建された黄檗宗の寺院で、4件の国指定重要文化財と毛利家墓所を含めた境内が史跡に指定されています。藩主や婦人の墓が並ぶ墓所の手前には家臣らが寄進した500基もの石灯籠が立ち並び、その石燈籠列の右手奥に、「宮様つばき」と呼ばれる古木椿があります。定かではありませんが、9代藩主・毛利成房治親の正室が有栖川宮織仁親王の娘であることから、毛利家と京都有栖川宮家の所縁の木と伝えられています。
この宮様つばきの品種は「紅唐子(べにからこ)」、別名「日光(じっこう)」と呼ばれる江戸期からの古典品種のひとつです。
3月から咲き始め4月上旬まで開花します。雄しべが弁化する唐子咲きと呼ばれる咲き方で、花弁も唐子も濃紅色をした特徴的な花姿です。根周りが1.7m、樹齢は270年ともいわれます。他所の紅唐子と比べて花が大振りなことが印象的でした。
次回の全国椿サミット開催地は、2024年3月9日(土)-10日(日)島根県松江市、2025年は長崎県五島市です。
参考:
・第33回全国椿サミット萩大会パンフレット
・萩観光協会公式サイト:https://www.hagishi.com/
・萩市FB:https://www.facebook.com/1671656896283464/posts/2749441068505036/
・東光寺ガイドによる解説