【椿information】2022-11-10
花の少ない晩秋から初秋にかけて、サザンカは花盛りを迎えます。サザンカはツバキと同じCamellia属、よく「ツバキとサザンカはどこが違うの?」という疑問を耳にします。
ツバキとサザンカを見分けるポイントを簡単に言うと、
①ツバキは花弁が散らず、花が丸ごと落ちる。サザンカは花弁がパラパラに散る。
②ツバキは雄しべの基部がくっついている。サザンカは分離している。
③サザンカは子房や細い枝や実に毛が生えているツバキは生えていない。
④サザンカは芳香がある。ツバキはない。
(画像参照)
困るのはツバキとサザンカの種間雑種でできた園芸品種で、当然どちらにも似ています。
園芸学では、サザンカ、ツバキ、その中間のカンツバキやハルサザンカと分類しています。
10月から5月にかけてツバキとサザンカが次々と咲きます。せっかくの花の時期です。ツバキかサザンカか論争に花を咲かせるより花を見て楽しみましょう。それに実物を見ているうちに「これはサザンカっぽいな」これはツバキの要素が多いな」などと分かるようになります。
サザンカの咲く場所には甘く爽やかな芳香が漂います。秋空の下で咲くサザンカの花と香りを楽しむ秋の休日はいかがですか?
お出かけの参考にサザンカの見られる場所と観察会をご案内します。
<サザンカがよくみられる公園>
- 都立大島公園椿園(東京都大島町)
- 都立神代植物公園ツバキ・サザンカ園(東京都調布市)
- 亀戸中央公園サザンカ園(東京都江東区)
- 浜松フラワーパークサザンカ園(静岡県浜松市)
佐賀県には国指定天然記念物の千石山サザンカ自生北限地帯があり、山の斜面いっぱいに白い花が咲く様子は見事です。(【椿の名所】千石山サザンカ北限自生地帯)
<観察会>
・2022年11月19日(土)13:00 東京農工大学農学部 正門前集合
・大学内に植栽されたサザンカを箱田直紀氏(日本ツバキ協会会長・恵泉女学園大学名誉教授)の解説を聞きながら見て歩きます。
・2022年11月29日(火)~ 2023年1月29日(日)
・日本固有種であるサザンカを鉢植えにて、約140品種、約300鉢を展示
・12月17日(土)13:30~ 箱田直紀氏(日本ツバキ協会会長・恵泉女学園大学名誉教授)による観察会
参考文献:
・ツバキとサザンカの見分け方,木全典子,2021