【椿information】2022-8-25
8月も終わりに近づくと各地で椿の実が熟して収穫期を迎えます。
木の上で熟した実は分厚い外皮が自然に割れて、中から黒くつやつやした種子が顔をのぞかせます。割れ目はたいてい3つくらいで、これはヤブツバキの子房室(しぼうしつ:種子ができるところ)が3つに分かれているからです。さらにそれぞれの子房室の中には種子の元になる胚珠(はいしゅ)が3つあります。つまり、1つの実の中に最大9個の種子ができる計算です。
とはいえ、これは理屈の話で、実際は5~6個くらいのものも多く、中には種子が1つだけの小さな実もあります。
この種子を絞って作るのが椿油です。
黄金色をした椿油は、肌に、髪に、食用にと、様々に使える優れた油脂で、日本各地で古くから使われてきました。
太陽や地味の恵みを受け、数か月かけて育った椿の種子。
私たちは木が半年かけて実らせたこの種子から椿油を頂くのですから、収穫の時期を迎えて感謝の気持ちを忘れたくないものです。