【椿information】2022-10-12
現在、富山県中央植物園では「桐野秋豊ツバキ資料展 八尾が生んだツバキ研究家」展が行われています。10月2日(日)に特別展に合わせて行われたフォーラムに参加しました。
桐野秋豊氏は著名なツバキ研究家で、半世紀にわたってツバキ研究一筋に打ち込んできた方です。一般社団法人日本ツバキ協会会長、いのくち椿館(富山県南砺市)名誉会長、などを歴任されました。
桐野先生は富山県八尾町の出身で、教員時代にユキツバキがきっかけでツバキ研究に没頭します。安達流創業者の故安達潮花氏に請われて教師を辞めて東京・安達流椿研究所主任研究員に、その後、横浜の(社)こどもの国・椿の森担当主任として勤務。多くの書籍や研究成果を著し、その元となった資料とツバキの木を残して2015年に亡くなりました。
富山県中央植物園は、これら研究記録である 31冊の「桐野ノート」を始め、2万点を超える写真など、半世紀にわたる研究活動の膨大な資料をデジタル化、さらに園内に自宅のツバキ243種類391本を桐野ツバキコレクションとして移植した事を機に、今回の特別展が開催されたのです。
特別展1は9月9日から10月19日まで開催、資料を中心に展示とフォーラムでした。
フォーラムでは、富山県中央植物園主任の志内利明氏がツバキの植栽と資料のデジタル化プロジェクトをいかに成功させたかをユーモアを交えて話し、一般社団法人日本ツバキ協会箱田直紀会長は研究者としての桐野先生の活躍や日本ツバキ協会における実績を紹介しました。威光を讃えると共に、桐野先生のお人柄を伝えるお話でした。
座談会では桐野先生のご家族を交えて、生前を知る方々によるエピソードが紹介され、会場はかつての教え子なども集まり、懐かしくも和やかなひと時となりました。
2023年3月17日(金)~29日(水)には「桐野ツバキコレクション展2」が開催、植栽されたツバキが花を咲かせる姿が見られるでしょう。
※写真は許可を得て撮影しています
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公式サイト
参考文献:
いのくち椿館 原種ツバキ図鑑,桐野秋豊,いのくち椿館,2013
北陸中日新聞, 中日新聞北陸本社,2022年9月10日