椿カレンダー4月「酒中花」、椿の基礎知識:覆輪

【椿information】2024-4-10

酒中花/撮影:高野末男

酒中花(しゅちゅうか)

花:白地に紅覆輪、紅色の縦絞が入る、牡丹咲き、不完全な散りしべ、中輪。花期は3~4月。葉:長楕円~楕円、中~大形、鋸歯は粗い。樹:立性、枝は粗。来歴:1859年の「椿伊呂波名寄色附」に載る(最新日本ツバキ図鑑)

花を華麗に彩る「覆輪」

幅広く大型の花弁の縁を、紅色の短い線状の絞りが縁取る様子は印象的です。このように花弁の縁が地色と別の色で縁取られた模様を「覆輪(ふくりん)と呼びます。

酒中花は白地に紅色で縁取られた紅覆輪の花です。他に紅覆輪の品種として「プリンセス雅子」、肥後椿の「王冠」などがあります。

逆に紅地色が白で縁取られたのが白覆輪。代表には有名な「玉之浦(たまのうら)」という品種があります。華やかな雰囲気で人気のある「光源氏」も白覆輪です。

赤や白の覆輪は花を華麗に彩り、人気があります。特徴的な姿はビギナーでも名前を覚えやすいと思います。

因みにサザンカでも同名の「酒中花」という品種があり、こちらは一重の白地に紫紅色の覆輪が入ります。

引用・参考:

最新日本ツバキ図鑑,日本ツバキ協会編,誠文堂新光社,2010